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マンスリーマンションの入居者は、NHK受信料の支払い義務が無いってホント?
マンスリーマンションにはあらゆる家電・家具が揃っていてとても便利です。
家電の中にはもちろんテレビも含まれています。
マンスリーマンションに入居した場合、備え付けのテレビがあるためNHKの受信料を支払う必要があるのか気になるという方も少なくないでしょう。
支払いに関して、実際に裁判まで発展したケースがあるのでご紹介します。
2015年10月に、仕事の都合でマンスリーマンションに約1ヵ月滞在する予定で、一人の男性が入居しました。
そのマンスリーマンションには各部屋にテレビが設置してあり、NHKの受信料は入居者が負担するという決まりです。
滞在中に男性のもとへNHK関連会社職員の訪問があり、受信契約を結んで受信料を支払うように督促があり、男性は2ヵ月分の受信料2,620円の支払いをしました。
男性は1ヵ月の滞在を終えて翌月の11月に退居したため、事前に支払っていた2ヵ月分の受信料のうち、1ヵ月分の1,310円をNHKに返金してもらいました。
ところが、マンスリーマンションのテレビは男性が設置したものではないため、そもそも受診料を支払うことに対して疑問を抱きます。
そして、勝手に設置されていたテレビのせいで受診料の支払いが生じるのは不服だとして、NHKに対し、受信料の全額返金を求める裁判を起こしたのです。
男性の言い分は、入居時からテレビが備え付けられているので、マンスリーマンション側が受信料を負担すべきであるというものでした。
マンスリーマンションの場合、家電製品が揃っていてテレビがあることは明らかであり、NHK関連会社職員の訪問時にテレビがないといっても通用しません。
送法の64条1項には「放送を受信できる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。
ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」という旨が書かれています。
この条文の内容ではテレビ放送を受信できるテレビを設置したら、NHKと受信契約を結ぶ義務が発生します。
但し書き以降は有識者でも議論がなされている部分ですが、少なくともマンスリーマンションの場合、あらかじめテレビ放送を受信できるテレビが設置されているため、受信契約を結ぶ必要が出てきます。
このケースでは入居者がNHKに受信料を支払わなければならないのでしょうか。
それとも、入居者に支払い義務はなく、NHKは受信料を入居者に返金しなければならないのでしょうか。
受信料の負担者が誰になるのかも気になるところです。
翌年の2016年10月に東京地裁で判決が出たことで、決着がつきました。
この裁判では、入居者が受信料を支払わなくても良いという結果になり、滞在期間中の受信料残り1ヵ月分の1,310円が男性に返金されました。
テレビの使用者を問題にすべきではなく、テレビを置いてNHK放送を受信できる状態を作り出したマンスリーマンション側に、支払いの義務があると判断されたのです。
このマンスリーマンションでは入居者がNHK受信料を支払うことになっていたので、空室になっている部屋のテレビの受信料は支払われていませんでしたが、判旨からマンスリーマンションは空室であっても受信料の支払い義務が発生するとも捉えられます。
上記の結果から、基本的にマンスリーマンションの入居者は、NHK受信料の支払い義務がないと考えて良いでしょう。
しかしながら、NHKはそのマンスリーマンションの入居者から受信料を支払ってもらっていたこともあり、控訴を考えているようです。
1世帯あたりの1ヵ月の受信料は少額ですが、マンスリーマンションには部屋が複数あり、事業者の場合は1台ごとに受信契約が必要になります。
入居者の有無に関わらず受信料の支払い義務がマンスリーマンション側に課されると負担費用が大きくなります。
場合によってはやむを得ず賃貸費用を上げることも考えられるでしょう。
NHKの受信料は視聴に対する対価ではなく、放送を受信できる環境があるなら広く公平に受信料の負担をお願いしていると読み解く見解が今の流れです。
民間の場合は広告収入を得て番組を制作しますが、NHKの場合は広告収入を得る代わりに受信料を徴収しています。
意外と知られていないことですが、受信料の額は役所などの公の機関が直接決めるのではなく、NHK予算を国会が承認することで決まります。
また、NHKの受信料は視聴量に応じた金額設定ではなく、受信できる環境がある人全員に対して一律の受信料を徴収する仕組みです。
ホテルや旅館に宿泊した際には、宿泊者に対してNHKの受診料を支払うように求められることはありません。
マンスリーマンションでも同様に、入居者が受診料を支払う必要はないといえます。
しかし、マンスリーマンションの管理会社によっては、入居者に対して受診料の支払いをお願いしている場合があります。
契約書に「入居者がNHK受信料を支払う」旨の合意があった場合には、入居者がNHK受信料を支払わなければなりません。
入居後に混乱することがないように、契約の段階で入居者とマンスリーマンションの管理会社、どちらが受診料を負担するのかよく確認しておきましょう。
契約書に一度サインをしてしまうと、後々「知らなかった」では済まなくなってしまうので、事前に確認しておくことが大切です。
NHKの受信料に限らず、契約に際して不明点や疑問点があれば、管理会社へ直接問い合わせてください。
NHKの受診料を支払う際には、振込用紙を使用すると良いでしょう。
クレジットカードでの自動引き落としが便利ですが、マンスリーマンションの入退去時に手続きが必要となります。
退去時に手続きを忘れてしまうと、そのまま受診料を支払い続けることになってしまうので、少々面倒ではあっても、振り込みのお知らせと共に届く振込用紙での支払いをおすすめします。
クレジットカード決済を利用する場合は、退去時に解約手続きを忘れないように注意してください。
- 監修者:株式会社アスヴェル マンスリー事業本部
2000年7月7日設立 大阪・京都を中心としたマンスリーマンションの運営会社
マンスリーマンションのご利用に役立つ記事をお届けします。